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潰瘍性大腸炎を抱えながら働くには?特徴・支援・相談先まで解説

潰瘍性大腸炎と診断されたとき、「これからも仕事を続けられるのだろうか」と不安を感じた方は多いのではないでしょうか。下痢や腹痛が繰り返されるなかで、毎日の通勤や職場でのトイレの問題、体調の波……考え出すとキリがないですよね。

このページでは、潰瘍性大腸炎という病気の特徴を整理したうえで、働くうえで直面しやすい悩みや、使える支援制度、相談できる窓口まで、できるだけわかりやすくお伝えします。

潰瘍性大腸炎とはどんな病気か

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症が起き、びらん(ただれ)や潰瘍を形成する病気です。

原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的な要因と環境的な要因が複雑に絡み合い、腸の免疫機能に異常が生じることで発症すると考えられています。国の指定難病(指定難病97)にも認定されており、国内の患者数は20万人以上とも言われています。

症状の中心は、血便・粘血便・下痢・腹痛です。重症になると発熱、体重減少、貧血といった全身症状も現れることがあります。また、腸管以外にも影響が出ることがあり、関節炎、皮膚症状、眼の炎症などの「腸管外合併症」を伴うケースも知られています。

症状の重さは人によってかなり異なります。軽症のうちは血便もほとんどなく、日常生活に大きな支障がない方もいれば、重症化してトイレから離れられないほどつらい状況になる方もいます。

同じ病名でも、まったく違う日常生活を送っているのが、この病気の難しいところのひとつです。

「寛解期」と「再燃期」を繰り返すのが特徴

潰瘍性大腸炎の大きな特徴のひとつが、症状が落ち着いている「寛解期」と、症状が悪化する「活動期(再燃期)」を繰り返すという経過です。

多くの患者さんがこの「再燃寛解型」をたどると言われており、寛解期にはほとんど症状がなく、ふつうに働いている方も多くいます。一方、再燃期には突然の腹痛や頻繁なトイレが生じ、仕事への影響が大きくなります。

いつ再燃するかが予測しにくいこと、また再燃のきっかけにストレスや過労が関与していると言われることも、この病気を抱えながら働くことの難しさにつながっています。

完治はないが、コントロールできる病気でもある

潰瘍性大腸炎は現時点では完治する治療法が確立されていません。ただ、薬物療法の進歩により、寛解状態を長く維持することが可能になってきています。

5-ASA製剤やステロイド、免疫調節薬、さらに近年では生物学的製剤など、治療の選択肢も広がっています。

適切な治療を続けることで、仕事や学校生活を続けながら病気と付き合っていける方も多くいます。「難病だから働けない」ではなく、「どうすれば働き続けられるかを考える」視点が、何よりも大切になってきます。

潰瘍性大腸炎を抱えて働く上での悩み

この潰瘍性大腸炎の症状によって、働く上で様々な困難に直面することは珍しくありません。

ですが、病気の特徴についてよく知ることで、働く上でどういった配慮が必要かを明確にすれば、職場にも配慮を求めやすくなります。

お互いに働きやすい職場環境を作り上げていくことは、社会生活において非常に重要な事項となっています。

ここでは、潰瘍性大腸炎によってどういった悩みが出てくるのか、よくある事例を具体的にご紹介いたします。

トイレの問題が最大のハードル

潰瘍性大腸炎を持つ方が仕事で最も困ることのひとつが、トイレへのアクセスです。活動期には一日に何度もトイレに行きたくなったり、急な便意が起きたりすることがあります。

会議中や接客中、あるいは移動中にトイレに行けない状況は、身体的な苦痛だけでなく、精神的なストレスにもなります。「またトイレか」と思われないかという不安が重なると、そのストレスが症状を悪化させるという悪循環に陥ることもあります。

トイレが近くにない外回りの営業職や、席を自由に離れにくい製造ラインの仕事、接客が途切れない窓口業務など、環境によってはとても働きにくさを感じやすいです。

体調の波が読めない

潰瘍性大腸炎の難しさのひとつは、「いつ再燃するかわからない」ことです。昨日まで調子が良かったのに、翌日は腹痛でほとんど動けない、というような状況が起きることもあります。

欠勤が増えてしまう、予定を組みにくい、上司や同僚への説明が難しいといった悩みが重なると、「自分はこの職場に居続けていいのだろうか」という気持ちになってしまうこともあるでしょう。

外見からは病気がわかりにくい

潰瘍性大腸炎は、「見えない病気」でもあります。外見だけでは病気を持っていることがわかりにくいため、職場の同僚や上司から「なぜ頻繁にトイレに行くのか」「急に休むのはなぜか」と思われてしまうケースが少なくありません。

病気を開示することで理解を得られる場合もある一方、「病気のことを知られたくない」「誤解されたくない」という思いから、ひとりで抱え込んでしまう方も多くいます。

障害者手帳がなければ支援の枠組みに入りにくい

指定難病であっても、障害者手帳の取得対象にならないケースがあります。

潰瘍性大腸炎の場合、症状の程度によって「ぼうこう又は直腸機能障害」として認定を受けられる可能性はありますが、軽症や中等症の場合は手帳を取得できないことも多いです。

手帳がないと、障害者雇用の枠を使えず、一般就労のなかで病気のことを自分で説明しながら配慮を求めなければなりません。「健常者でもなく、障害者雇用の対象でもない」という中間的な立場で就職・就労に苦労している方が多いのも、この病気の特徴のひとつです。

潰瘍性大腸炎を抱えながら働くための工夫と対処法

潰瘍性大腸炎を持ちながら安定して働くためには、職場環境が大きなカギになります。特に重要なのは、次のような条件です。

まず、トイレに自由に行ける環境であることは最低限の条件といえます。席の近くにトイレがある、離席がしやすい業務内容であることが理想です。

それから、体調が悪い日には業務量を調整できる柔軟さや、フレックスタイム制やテレワークなどの勤務形態が整っていると、再燃期にも働き続けやすくなります。

在宅勤務は、通勤のストレスが減ることに加えて、自宅でトイレを自由に使えるという点でも、潰瘍性大腸炎の方にとってメリットが大きい働き方のひとつとされています。

職場への開示をどう考えるか

病気を職場に伝えるかどうかは、非常に個人的な判断です。開示することで、上司や同僚の理解を得やすくなり、配慮を受けやすくなる一方で、差別や誤解を招くリスクを感じる方もいます。

伝える場合は、「病気の名前」よりも「どんな配慮が必要か」を具体的に伝えることが、職場の理解を得やすくするポイントです。

たとえば「定期的な通院があるため月に1〜2日、特定の曜日に早退させてほしい」「体調が悪い日はトイレへの離席が増えることを理解してほしい」など、実際に必要なことを整理して伝えると、職場側も対応しやすくなります。

ストレスと向き合う

ストレスは潰瘍性大腸炎の再燃と関連があるとも言われています。仕事上のストレスを完全になくすことは難しいですが、自分なりのストレス発散方法を持つことや、無理をしないための仕組みを作ることが、長期的な体調管理につながります。

疲れを溜めない働き方を意識すること、主治医と定期的にコミュニケーションを取ること、症状の変化を記録して自分の傾向を把握すること、こういった地道な積み重ねが、日々の安定につながります。

潰瘍性大腸炎の方が使える支援制度と相談先

これまで、潰瘍性大腸炎による困りごとについて解説してきましたが、ここからはどういった支援が受けられるか、それぞれの相談先と合わせてご紹介いたします。

特定医療費(指定難病)助成制度

潰瘍性大腸炎は指定難病のため、一定の条件を満たすことで医療費の自己負担を軽減する助成が受けられます。

所得に応じた「自己負担上限額」が設定されるため、月々の医療費の負担を抑えられます。申請には主治医が作成する「臨床調査個人票」が必要で、都道府県の担当窓口または保健所で手続きを行います。

障害者総合支援法による就労支援

障害者総合支援法の対象疾病には潰瘍性大腸炎も含まれており、障害者手帳を持っていなくても、就労継続支援(A型・B型)や就労移行支援などの福祉サービスを利用できる場合があります。

まずはお住まいの市区町村の障害福祉課や相談支援センターに問い合わせてみることをおすすめします。利用の可否や手続きについて教えてもらえます。

ハローワークの難病患者就職サポーター

一部のハローワークには「難病患者就職サポーター」が配置されており、難病を持つ方の就職活動を専門的にサポートしてくれます。就職先の選び方の相談、企業への病気の伝え方のアドバイス、面接への同行なども対応しています。障害者手帳の有無に関わらず相談することができます。

難病相談支援センター

各都道府県に設置されている「難病相談支援センター」では、療養生活全般や就労に関する相談に応じています。大阪府には「大阪難病相談支援センター」があり、専門の相談員が対応しています。病気についての不安や生活の悩みも含め、幅広く話を聞いてもらえる場所です。

医療ソーシャルワーカーへの相談

通院先の病院には「医療ソーシャルワーカー(MSW)」が在籍していることがあります。就労や生活の困りごとに関して、利用できる制度の紹介や、関係機関との調整をサポートしてくれます。

主治医だけでなく、こうした専門職に相談する窓口があることも覚えておいてください。

「まずは働くことに慣れる」という選択肢

一般就労がすぐには難しいと感じている方、あるいは体調が落ち着かないうちに「いきなりフルタイムで働く」ことに不安がある方にとって、就労継続支援B型事業所という選択肢があります。

就労継続支援B型は、雇用契約を結ばずに、自分のペースで仕事の練習や作業ができる福祉サービスです。週に何日通うかを自分の体調に合わせて調整できたり、体調が悪い日は無理をしなくていい環境が整っていたりと、一般の職場とは異なる柔軟さがあります。

「外に出ること」「何かに取り組む習慣をつけること」「自分のペースを取り戻すこと」を目標にしながら、少しずつ自信を積み重ねていく方も多くいます。

潰瘍性大腸炎は障害者総合支援法の対象疾病に含まれているため、障害者手帳がなくても、医師の診断書や意見書があれば就労継続支援B型を利用できる場合があります。詳しくはお住まいの市区町村の窓口にご相談ください。

東大阪市にある「わんすてっぷ」について

東大阪市にある就労継続支援B型事業所「わんすてっぷ」は、難病や障害など、さまざまな事情を抱えた方が自分のペースで作業に取り組める場所です。

軽作業や八百屋でのレジサポート業務、ネイルの練習など、作業の内容も多様で、「やってみたい」という気持ちを大切にしながら、ひとりひとりの特性に寄り添った丁寧なサポートを心がけています。

潰瘍性大腸炎を患っていて、「体調が不安定なのに働けるか不安」「一般就労には自信がないけれど、何かしたい」と思っている方も、まずは見学や体験から始めることができます。「どんな作業をするのか」「自分でも通えそうか」を実際に確かめてから、無理なく判断していただけます。

どんな状況でも、あなたの「一歩」を一緒に考えます。見学・体験のお申し込みは、以下よりお気軽にどうぞ。

関連する記事もあわせてご覧ください

潰瘍性大腸炎と並んで患者数の多い指定難病について、それぞれ詳しく解説した記事も用意しています。

また、指定難病全体の定義や支援制度をまとめた親記事もあわせて参考にしてください。

指定難病とは?定義・種類・働くための相談先をわかりやすく解説

まとめ

潰瘍性大腸炎は、寛解期と再燃期を繰り返しながら長く付き合っていく病気です。トイレの問題や体調の波、職場の理解不足など、働くうえで直面する悩みは少なくありません。

ただ、適切な治療を続けながら工夫することで、多くの方が仕事を続けられています。まずはひとりで抱え込まず、相談できる場所を見つけることが大切です。

ハローワークや難病相談支援センター、医療ソーシャルワーカー、そして就労継続支援B型のような場所も、あなたの選択肢のひとつとして知っておいてください。

「今すぐ働かなければ」と焦る必要はありません。少しずつ、自分のペースで前に進むことが、長続きする働き方への近道でもあります。

氏野 恵|サービス管理責任者

氏野 恵|サービス管理責任者

就労継続支援B型事業所「わんすてっぷ」の管理者・サービス管理責任者(兼務)。 福祉分野で7年半の実務経験を持ち、介護福祉士、強度行動障害支援者の資格を有する。 利用者さん一人ひとりの特性や気持ちを丁寧にくみ取り、やってみたい気持ちを大切にした支援を心がけている。 また、JNAネイリスト技能検定2級を取得しネイリストとして約2年間のサロンワーク経験と、福祉ネイリストとしての活動経験を持つ。支援の幅を広げる学びの一環として野菜ソムリエの資格も取得し、これまでの経験を活かしながら日々の事業所運営と支援に取り組んでいる。」

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